会長挨拶

 

会長吉永和正 2023年5月8日から新型コロナウイルス感染症が感染症法の5類感染症に移行したことで、コロナ社会も一つの区切りを迎えました。2020年1月にわが国で第1例が確認されて以降、国を挙げて対策に取り組んで来ました。その結果、社会活動は大きな制限を受けることとなり、兵庫腎疾患対策協会も例外ではなく、この3年間、ほとんど活動ができませんでした。
兵庫腎疾患対策協会はやっと活動を再開できるようになりましたが、この時期に副会長に野島道生先生(兵庫医科大学特別招聘教授)、新たな幹事に兵頭洋二先生(神戸大学特命講師)を迎えることで、新しい方向へ動き出すための足固めができました。
6月1日の読売新聞には「NPO法人難病患者支援の会(東京)による臓器あっせん事件を受けて、自民党の臓器移植に関する議員連盟が31日、病院と臓器あっせん機関が患者情報を早期に共有する制度の創設を厚生労働省に提言した。」という記事が載っていました。韓国では2007年頃からすべての脳死患者を確実に把握することで、人口あたりの臓器提供者数がわが国の10倍以上に伸びたことが知られています。わが国にもやっとその動きが出てきたようです。
臓器提供数を増やすためには国の制度を整備することが重要ですが、その一方で一般市民の認識を変えてゆく必要もあります。ここで大切なことは臓器提供を目指すのではなく、多くの人々が確実に意思表示できることです。そのためには話し合う機会がなければなりません。ACP(人生会議)もその機会になるでしょうが、子供の教育現場もその重要な機会です。
このような視点から、今年度は具体的な活動に取りかかりたいと考えています。皆様のご協力をお願い申し上げます。

兵庫腎疾患対策協会 会長 吉永 和正