兵庫腎疾患対策協会
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TPM 2012年度派遣事業

■TPM研修報告

神戸大学医学部附属病院 腎・血液浄化センター 吉川 美喜子


 TPM(Transplant Procurement Management)とは、スペインで始まった「臓器・組織提供を増やし、臓器・組織移植の質と量を向上させる」ための国際的教育プログラムで、具体的には早期に臓器・組織ドナーとなり得る患者様(potential donor)を認識し(量)、臓器提供までの行程が円滑に行われる(質)ことを主眼としています。TPMトレーニングコースでは、potential donorが臓器・組織提供にご同意いただき、移植に至るまでのすべての過程を講義や実技を通して学習します。コースはスペインのバルセロナから約80km北上、"Donor Land"という架空の国で行われました。10個のレクチャーと10個のワークショップ、課外時間にグループワークとまさしく合宿でしたが、濃密な時間を過ごすことができました。

 このTPM advanced international courseは世界中の臓器移植に係る医療従事者が参加しており、特に北欧、東欧からの参加者が多いことが印象的でした。参加者の職種も様々でしたが、集中治療医、麻酔科医の参加が多かったのは、臓器提供に携わる医師がヨーロッパに多くいることを示していると考えられます。現にSouth-East Europeでは現在飛躍的に臓器提供数が増加しています。特にクロアチアは人口100万人あたりのドナー数は10年間で約3人→30人と10倍に増加しており、今や"クロアチア モデル"としてヨーロッパ諸国のリーダー的な存在となっています。どのようにしてクロアチアはそのような成功国となったのでしょうか。その要因として、各基幹病院にTPMコース受講者を配置したこと、プロモーション活動を充実させたこと、コーディネーター給与体制を確立したこと、国家政策として臓器提供のシステムを改正したことなどが挙げられています。

 我が国の深刻な臓器不足は周知の事実ですが、この状況を変えるためには成長過程にあるシステムを参考にするのは良い方法の一つですし、クロアチアの成功は目標となります。一方で、opt-inをopt-out方式(提供を拒否しないかぎり、ドナー対象となる)にすることは現実的ではありませんし、臓器・組織提供の意思を持った方々の想いを大事にする、という現在の日本の基本姿勢は大事にするべきだと思います。End-of-Lifeのオプションとして臓器・組織提供を提示し、提供の意思を見過ごすことなく大事に次の生命へとつなげること、つまり情報提示と意思の尊重、いわば医療として当然のことを当然にできるようなシステム作りが現状の課題です。


左より セルビア、クロアチア、ノルウェー、オーストラリアからの参加者。
右は沖縄の福井先生。


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